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国献男子ほんわか日記205 終戦80年・昭和100年ブーム! 国連80年

国際協力実践家 小島康誉

皆々様、今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。来年は終戦80年、昭和100年。ブームが起きつつある。昭和は1926年に始まり、1989年に平成へ受け継がれた。約64年つづいた昭和。世界恐慌・国際連盟脱退・2.26事件・日中戦争・三国同盟・太平洋戦争・広島と長崎へ原爆・終戦・新憲法・サンフランシスコ平和条約・日米安保条約・東京オリンピック・よど号ハイジャック事件・大阪万博・沖縄返還・日中国交回復・ロッキード事件・第二次オイルショック・日航機墜落・リクルート事件・・・激動の昭和。

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ドンペン・ドンコと感謝をこめて(撮影:小島聡子)

戦争中の昭和17年生まれで「健に生き名ある死を」願って「康誉」と名付けられた。日中戦争が拡大し、前年12月に太平洋戦争が始まり、戦艦大和が就役。生まれた3月は、まだ連戦連勝で意気盛んなころ。コレクションしている年賀状には「皇軍万歳・大東亜聖戦春」「一億進軍」など、勇ましい言葉が。18年には学徒出陣、19年には本土への空襲激化。家の近くの三菱重工も爆撃をうけ、真っ赤な空が幼い脳裏に焼き付いている。やがて終戦。食糧難の時代、ザリガニ・雷魚・イナゴで飢えをしのいだ。そして戦後復興から高度成長。

戦中戦後の昭和をとらえた朝ドラ「ブギブギ」は人気を呼んだ。吉幾三「昭和の背中」・天童よしみ「昭和かたぎ」・五木ひろし「遠き昭和の・・・」なども流れている。東京大衆歌謡楽団は各地で昭和を唄い、TV・新聞・SNS・雑誌・映画は「昭和」「戦争」「戦後」特集、大学には「昭和研究会」、昭和家電・昭和雑貨・昭和観光地・・・昭和ブームが起きつつある。焼野原から立ち上がり苦しくても元気だった昭和。昭和の元気を今一度!来年は終戦80年、昭和100年、そして国連創設80年だが対立激しく機能不全。世界平和へ今一度!(12/15記)

付記:前回の「ほんわか」で、京都文化博物館で開催中の「世界遺産 大シルクロード展」に私たち日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査隊が発掘した如来図壁画「西域のモナリザ」も展示中などと紹介したが、写真21点と要約文で調査全容をレコードチャイナで「〈写真特集〉新疆で法隆寺『鉄線描』壁画の源流『屈鉄線』壁画を発見・保護・研究」と題して発信、国際協力の一事例をご理解いただければ幸いです。

嬉し恥ずかし我が青春

10月下旬から11月初め新疆再訪での出来事。「シルクロード交流亀茲文化シンポジウム」でキジル千仏洞80年代保護活動発表後に他の研究者の発表聴講。ふと隣席を見ると、キジル千仏洞壁画と「五星出東方利中国」錦が表紙を飾る本。見てニヤニヤしていると、隣席の方こちらを見て「尽力した小島」と気づいたようで、握手を求められた。

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キジル千仏洞保護を開始したのは38年前、日中共同ニヤ遺跡学術調査を開始したのは36年前、青春?のころ。決めたらトコトンやる困った性格、今に至るまで国際協力を続けている。キジル千仏洞は世界遺産となり、「五星出東方利中国」錦は「20世紀中国考古学で最も偉大な発見のひとつ」と度々報じられている。ありがたい限り。一方で「ハニトラにひっかかったエロ坊主」などとコメント攻撃されているが、国際協力に老残微力を捧げ続ける。世界81億人が協力しあうのは当然のことと信じ。「本」ワカほんわか。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授などを歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。