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国献男子ほんわか日記125 王恩茂先生はじめ新疆の皆様に深謝!

国際協力実践家 小島康誉

小僧はオッチラエッチラ終活中、棚の奥から新疆ウイグル自治区の最高実力者・王恩茂氏から頂戴した水墨画がでてきた。後に国家副主席になった王震氏らとともに各地を転戦し、国民党政府から新疆を解放した後も新疆にとどまり、新疆発展の基礎を築いた人民解放軍中将。中国共産党新疆ウイグル自治区委員会書記や新疆生産建設兵団第一政治委員・中国共産党新疆ウイグル自治区顧問委員会主任・中国人民政治協商会議全国委員会副主席などを歴任し、2001年北京で逝去された。88歳。

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水墨画は天山の牧歌風景を得意とした謝家道さんの「雪山深処牧民家」

小僧との縁は1987年キジル千仏洞修復保存資金贈呈協議書の調印式に出席いただいたのが最初。その後も度々お会いし、国際協力活動を支持いただいた。案内した伊藤忠商事の中澤忠義副社長を紹介、王氏の歴戦を記録した150万字に及ぶ『王恩茂日記』日本語版を出版、北京の301病院へお見舞い・・・10数年にわたりご厚情をいただき、お便りも数通いただいた。逝去後には自宅へ弔問、駱嵐夫人にあたたかく迎えていただいた。深謝し、ご冥福をお祈り申し上げます。

先週、新疆の引退した指導者が載っていると、人民日報の電子版「人民網」(21/07/19)プリントが友人から届いた。ありがたい事である。「新疆ウイグル自治区指導者がクルバン祭を前に引退した指導者を見舞った」(拙訳)とのタイトル。陳全国新疆党書記、雪克来提・扎克尓新疆政府主席、努尓蘭・阿不都満金新疆政協主席らが手分けして訪れ、自治区政府主席を務めた阿不来提・阿不都熱西提、司馬義・鉄力瓦尓地両氏など約120人へ長寿・多幸を願い挨拶をしたと。巴岱、艾斯海提・克里木拝、金雲輝、克尤木・巴吾東、符強、胡吉漢・哈克莫夫、海里且姆・斯拉木、米吉提・納斯尓、買買提明・扎克尓、杜泰瑞、鉄力瓦尓迪・阿不都熱西提、馮大真、王友三、玉素甫・艾沙、李東輝、呉敦夫、吾甫尓・阿不都拉、白志傑、朱鍳凡、尼相・依不拉音ら各氏(漢・ウイグル・カザフ・モンゴル族)も含まれていた。

小僧が各種の国際協力実践時にご厚情をえた方々である。党・政府などで活躍され、度々お会いした尊顔が浮かんできた。ご一緒した場面が懐かしく思い出された。深謝しつつ益々のご健勝ご活躍をお祈り申し上げます。コロナ禍で今年も行けそうにないが、小僧の新疆訪問40周年でもある来年こそ訪問し、お会いできればと願っています。

菅総理、お疲れ様でした

10月4日、菅義偉総理が退任された。コロナ抑制と社会活動全開へ苦闘1年余。「ゼロコロナ」「東京五輪は変異株の展示会みたいになる」と主張した一部の政治家やメディア・人々などは「後手後手だった」と批判している。「後から後手後手と言う」のは簡単。世界中を混乱させた「コロナパンデミック」に次々と手を打ち、東京オリパラも成功させた。100点満点とは言えないが、1億2521万人が満足する対策はない。しかし、未体験の危機に「ぶつかりぶつかり」対策を打ち出し、ワクチン接種を決め手として、コロナ禍解消へ向かわせつつある中での退任。見事!益々のご活躍を!乾杯!

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小僧楽書:背景はコロナ禍でも新規開店した軽井沢「つるとんたん」からの夏空(21/08撮影:筆者)

政治にかぎらず、対人関係でも批判するだけでなく、称賛することも大切では、と思う。誰もが困難に「ぶつかりぶつかり」格闘して生きている。悪い点ばかり見るのでなく、良い点を見て、前進あるのみ。あの人は見事!と乾杯! 自分は見事!と乾杯! ほんわかほんわか。(10/12記)

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。