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国献男子ほんわか日記137 嬉しい33年ぶりの再会 共生エピソード

国際協力実践家 小島康誉

昔むかしジュエリー専門店チエーン社長だった。創業直後に社是「商業を通じて社会に奉仕しよう」を定め、具体的には「商業活動そのものを通じて、利益より払う税金を通じて、ボランティア活動を通じて」とした。ボランティア活動では活動資金にお困りの福祉施設へ資金提供する「ツルカメ社会賞」、日本へ憧れ来てみたものの生活費さえ事欠く留学生へ奨学金を提供する「ツルカメスカラシップ」。創業30周年を機に社長を退任した1995年までに331団体へ8917万円を福祉団体へ、195人へ7400万円を留学生へ提供し喜ばれた。

長年の畏友なごや蝴蝶書院の任房代院長から「新しい生徒で昔ツルカメスカラシップをもらった人がいる。会いたがっている」と便り。本人からも「愛知教育大学留学中の1989年に頂いた奨学金で助かった。授賞式で頂いた記念の盾は今も部屋に飾っている。会えれば嬉しい」と便り。その盾の写真も同封されていた。盾には「貴方は日頃、自国の発展と世界平和に貢献すべく、自己研鑽に積極的に取り組まれ、その成果には著しいものがあります。ここに学習活動を支援する・・・」などと記されていた。昔むかしの記憶がよみがえった。

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「ツルカメスカラシップ」盾を持つ王麗英さんと頂いた「感恩」色紙を手に(撮影:小島聡子)

33年ぶりに王麗英さんと再会した。会場は奨学金授与式を行った名古屋観光ホテルを選んだ。任院長・王さんと小僧夫婦の会食は楽しかった。33年間も奨学金盾を飾っているお心に感謝感激!王さん「授賞式では挨拶文も準備していったが指名されなかった。幾つかの大学で中国語を教えている。家族も元気、夫も娘も仕事をし、息子は大学で学んでいる」などと。任院長「小島和尚とは何回も新疆へ行った。皆さん大喜びされた。華僑も若返り意識が変化している」などと。「共生」「SDGs」が叫ばれているが、奨学金提供が生んだ嬉しいエピソード。奨学金や社会賞の賞金を稼ぎ出した社員諸氏に感謝!お客様には大感謝!

Lots of Loveをこめて

鎌倉から沖縄へ移住した畏友オーストラリア人Campbell La Pun夫妻へ軽石を贈ったら、アーティストらしく着色し贈られてきた。それを「たのしく」と配置して「ほんわか」131で発信。そのネット画像から軽石を切り取りハート形にした「作品」便りが送られてきた。

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キャンベル・ラ・プン氏「ハート作品」を写し、「たのしく」と「返信」をPC上で貼り合わせ

彼の便りに「会うのが待ちきれない。沢山の愛をこめて」(拙訳)などと記されていた。2月、豊見城の新居を訪ねる約束だったが「まん防」となり、2歳児Summerちゃんを気遣い延期。「まん防」も解除され、来月のANA便予約(マイルでいわばタダ)。夫妻へ「ハート作品変型」(写真の右下部分)を作成し返信とした。愛する心のやりとり、それが生きる喜び。ほんわかほんわか。(今日は03/29。「4と9のつく日には剃髪を」と師僧・水谷幸正先生に教えられて35年、以来続けている。今日も頭はツ~ルツル、でも心はど~ろどろ)

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。