VOICE

国献男子ほんわか日記183 慣れは強い!慣れは怖い!平和に慣れすぎ日本!

国際協力実践家 小島康誉

小僧は冬でも素足、襦袢と作務衣2枚だけ。すれ違う人が足元をチラッと眺める。時には「寒くないですか?」と訊ねられる。昔々、オーロラを見にフィンランドへ行ったことがある。数日滞在してもオーロラは現れなかった。雪道を素足で歩きまわっている小僧を観光客が次々と撮影していたほどで、冬の素足は珍しい。「修行のたまものですか?」と問われる時もある。イヤイヤただの慣れ。幼稚園児が半ズボンで飛び回っているのと同じこと。

“

小僧楽書

慣れは強い。同時に慣れは怖い。能登半島地震を報じるTV、ヘルメットを誰も被っていない避難所内で、ヘルメット姿で質問するアナウンサー。巨大マグロ釣り番組、不漁つづきの老漁師の妻「ご縁がありますように」と五円玉50枚を海へ投入、環境破壊につながる行為なのに、そのまま放送するTV。「全国世論調査」と一面で大々的に報じて、たった1000人ほどの回答者数や50%程度の回答率はズーと後の紙面で小さく載せる新聞。裏金づくりで逮捕や聴取される議員。誹謗・攻撃型SNS。性加害が報じられる教師や芸能人・・・

そんな「平和」な日本に慣れてしまった私たち。平和がつづくのは良いことだが「平和ボケ」は怖い。伊勢湾台風、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震につづき能登半島地震が起き、当たり前と思っていた平穏な生活が一瞬で破壊されたように、欧州・中東で突然戦争が始まったように、東アジアでも平和が何時までもつづくことはない。平和の破壊は日常生活の崩壊。だからこそ、平和を一日でも長くつづける活動が必要と多くの人が思う。では具体的行動は?人それぞれだろうが、小僧は国際交流を細々と。

地震:元日発生の能登半島地震の死者は昨日時点で238人。小僧も2度行ったことがある新疆アクス地区ウシュで23日発生の地震では3名死亡。日曜28日朝遅めの朝食をとっていたら「ドン!」と激しい縦揺れ、東京湾を震源とする震度4。寓居マンション20数基あるエレベーター「A棟は非常用エレベーターを除き停止。B棟C棟は非常用も停止。業者に連絡中」と館内放送。「ほんわか」180で2024年予測として「首都直下型地震?」も記したが、さらに大きな被害が出るような地震が日本で世界で発生しないことを願うばかり。(01/30記)

あれも感謝!これも感謝!違って当然

日々感謝しつつ(愚痴も言いつつ)楽しく過ごしている。何処でも何時でも。下の写真は昨年9月、中国新疆ウイグル自治区東部のハミ(哈密)でパチリしたもの。新疆40年の小僧も初めて訪問した都市。区都ウルムチ(烏魯木斉)で新疆活動40年感謝宴を開催した翌日、列車でハミに着き、現地政府幹部の案内で観光振興を視察した際の一枚。

“

ハミ市バリコンにて(撮影:筆者)

国際協力は容易ではない。国内だって日々イロイロ、何かと大変。外国での活動は更に難しい。体制が異なり、言葉が違い、考え方が違う・・・大変だと捉えるのでなく、当然と考えている。写真に写る小僧以外の10人は中国人だが、それでも同じではない。靴が違うように微妙に異なる。出身地・性別・年齢・民族・職務・思想・環境・・・により異なるのは当然。国際協力のみならず日々の生活でも違いを受け入れるようにしている。中々難しいけど。ホンワカほんわか。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。