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国献男子ほんわか日記22 平和を守る国際協力

国際協力実践家 小島康誉

今年のノーベル平和賞は日本など世界の市民団体の連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞しました。7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」の実現への活動が評価されました。広島・長崎の被爆者の長年の訴えが実った結果ですね。

平和賞決定の一週間ほど前、広島県立美術館「平山郁夫連続セミナー」で講演しました。平和記念公園の慰霊碑の数々で回向して、美術館へ到着。出迎えていただいた一人は平山先生(故人)そっくりの弟さん助成氏(平山郁夫美術館館長)、あまりに似ておられるのでビックリ。平山先生には東京芸大学長室や鎌倉のお宅などで度々お会いしました。

講演では原爆ドーム・オバマ大統領の折鶴・北朝鮮の核実験ニュースや被爆者でもある平山先生の写真などで平和の尊さを訴えました。そして平和を守る一環として国際協力があると、実践してきた活動を紹介しました。

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原爆投下後の産業奨励館(広島平和記念公園展示写真を17.09.30撮影:筆者)

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世界遺産・原爆ドーム(17.09.30撮影:筆者)

原爆投下後5年間だけでも、広島で約20万、長崎で約14万の方々が犠牲になられました。「北朝鮮が核ミサイルで東京・ソウルを攻撃した場合、210万人が亡くなる」と、アメリカの大学の研究グループ「38ノース」が試算を発表しています。そんなことにならないように世界各国は圧力を強めてほしいですね。庶民は祈るばかりです。

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多くの外国人も参観(16.08.19撮影:筆者)

そんな平和への願いを込めて、昨日(10月13日)も名古屋外国語大学「現代国際学特殊講義」で「国際協力の現場から」と題して、前述同様に原爆ドーム・オバマ大統領の折鶴・北朝鮮の核実験ニュースなどで平和を守る国際協力の意義を訴えました。「平和は尊い戦争はダメ」は当然のことですが、問題はそのためにどうするかですね。今日も世界では戦争・紛争で多くの方々が亡くなっています。

日本は国際協力でも先進国です。例えば、ODA・JICA・国際協力銀行・アジア開発銀行・青年海外協力隊・シニア海外ボランティア、そしてNGO・企業・個人などが世界で積極的に貢献しています。

一方、冒頭の「核兵器禁止条約」に日本は参加していません。被爆国である一方でアメリカの核の傘に守られているという複雑な立場などから。全核保有国やカナダ・ドイツ・オーストラリア・韓国なども不参加。なんとか核兵器を禁止して欲しいですね。

今夜(10月14日)はNHK「シルクロード・壁画の道をゆく」を観ます。編集途中にキジル千仏洞の壁画の色などの参考意見を述べた際に少しだけ観ましたが、全体は初めて。楽しみで~す。

あと一歩

区役所から「長寿を祝う集い」の案内がきました。第52回とありますので、昔から開催されているようです。当時の75歳は「長寿」でしょうが、昨今では「長寿」と言われてもピンときません。と言っても世界の三分の二ぐらいの国は平均寿命75歳以下だそうで、今日の日本を築いてきた先輩たちに感謝したいですね。いずれにしてもやがて旅立つわけで、まぁボチボチやっています。ボチボチつながりで今回は仏塔の写真を選びました。ほんわかほんわか。

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小僧落書き、背景はニヤ遺跡仏塔(撮影:筆者)

75年も生きられるとは思ってもいませんでした。信長に憧れ「人生50年」精いっぱい命を燃やしてきました。あれやこれややってきた折々、「あと一歩」と自分に言い聞かせました。壁にぶつかった時、「あと一万歩」と思うと心が折れてしまいます。でも「あと一歩」と、なんとか頑張れました。ほんわかほんわか。あと何年?はお任せですが、短足で歩いていきます。ほんわかほんわか。
 前号の日本最東西南北端の写真、好評でした。友人から「歩いて日本縦断なんてスゴイ。宗谷岬は行ったことあるけど、他は行ったことがない。行ってみたいけど、中々。せめて写真で楽しみます」と来電。おだてに乗って、日本最東西南北端へ出かけた折の写真を紹介します。ご笑覧あれ。ほんわかほんわか。

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オマケの4枚:普通に行ける日本の最東西南北端いろいろ(撮影:筆者)

到達に苦労したのは最西端の与那国島。嵐で欠航になり渡れず2度引き返しました。西方111㎞には台湾、見えるのは年に数日と地元の方。ちなみに与那国では島民でなくてもバスは無料です。講演などチャンスがあればまたアチコチへほんわかほんわか出かけます。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。