VOICE
国献男子ほんわか日記230 キジル千仏洞の保護は今もつづく
国際協力実践家 小島康誉12月4日、佛教大学オープン・ラーニング・センター公開講座で〈世界文化遺産「キジル千仏洞」登録秘話〉と題して講演した。壁画解説は仏教美術研究の第一人者・安藤佳香教授が担当。会場とオンライン合わせて約150人の皆さんが熱心に聴講された。
敦煌・雲崗・龍門とならび中国四大石窟と称されるキジル千仏洞は新疆ウイグル自治区クチャ(庫車)西方約70㎞に所在、3~8世紀頃に造営され、今なお約300の石窟に大量の壁画が残存している。参観された方も多いだろう。
筆者は1986年に個人で修復保存協力を始めたが、より多くの方から浄財を募ったほうが意義ぶかいと「日中友好キジル千仏洞修復保存協力会」を結成。キジルは敦煌ほど知られておらず保存資金集めは難渋した。諸氏と奔走し1988・89年に1億円余を新疆文化庁へ寄贈。中国側資金と合わせて本格工事を開始した。2014年に「世界文化遺産」に登録された。そんな過程をPPTで紹介した。
補強工事中のキジル千仏洞(5月撮影:筆者)
キジル千仏洞へは数十回行った、この5月は補強工事を視察した。佛大講演でも紹介したこの写真、補強工事用足場の上の「出っ張り」はその下の石窟へ雨水などが進入するのを防ぐための庇。写真右端上部はすでに石窟壁が崩れ落ち石窟がむき出しになっている。その下方は崩れ落ちた土石など。この石窟にも昔は仏像や壁画があったであろう。嗚呼~。荒廃の主な要因は経年劣化・異教徒による破壊・外国探検隊による盗掘など。保護は延々と続く。千仏洞に限らず、日本の文化財でも。(12/07記)
一夜楽しむ:白鳥正夫氏本・映画「ちくわっちゃ!」・鮨「魚ヒ日」
ある夜の出来事:妙な店名の鮨屋「魚ヒ日」で、新疆ウイグル自治区紹介動画などの打合せ。「鮨」を分解すると「魚ヒ日」になるとか。凄~い。小林旭の歌の一節「戀という字を分析すれば糸し糸しと言う心」を口ずさみながら帰宅。
この「フォルテ文化ミュージアム」常連投稿者の畏友・白鳥正夫氏からサイン入り『旅で磨こう「文化力」』が届いていた。前書きに「海外は100回以上57ヵ国、国内も全都道府県に及びます」と。サスガ元朝日新聞企画委員、凄~い。新疆・ウルムチ・キジル千仏洞・・・もチラッと登場。シルクロードから始まり北欧・ベルギー・パリ・バルセロナ・アウシュヴィッツまで一気読み、一休み。

気分転換U-NEXTで「ちくわっちゃ!」を見た。東京の小学生兄弟が夏休みを下関で過ごし、地元の人たちとのふれあいを通して様々な考え方を知り成長してゆく物語。ネット検索したら「LPJ製作第一作映画「ちくわっちゃ!」(脚本・監督:三坂知絵子)ニューヨーク国際フィルムアワードにおいて22の部門で最優秀賞を受賞」がヒット。凄~い。
新疆ウイグル自治区活動アレコレやっているため、一部の方から「反発」を受けている。昨今の情勢下で一段と激しく、疲れ~~た脳、鮨と本と映画で、疲れ解~消~~。ほんかわほんわか。ありがとうございます。
