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国献男子ほんわか日記34 「一帯一路」実践35年に拍手・爆笑、サイン殺到

国際協力実践家 小島康誉

天津へ来ています。天津といえば天津甘栗や天津飯が有名ですが、天津で栗はとれず、天津飯は無いとか。それはさておき天津は日本と昔から関係の深い都市です。1972年に日本と国交が正常化した翌年に神戸と友好都市を日中間第一号として締結したほどで、対日感情の良いところ。経済面のみならず文化面でも交流多々。私も何回か訪れています。

今回は天津TVの長寿番組「泊客中国」で1月に放映された私の特集「大愛無疆」「五星出東方利中国」「西域蒙娜麗莎」が好評だったとかで、講演依頼に応じてです。天津大学で「西域ニヤ考古歴程」と題して、シルクロードでの各種活動をPPTで紹介。天津美術館では「古代壁画と現代美術」をやはりPPTで講演。両会場で教授・院生・市民ら約200人。

前者は修復保存協力を開始して28年後に世界遺産となったキジル千仏洞や調査始めて7年後に中国の国宝中の国宝「五星出東方利中国」を発掘したニヤ遺跡調査、そして法隆寺「鉄線描」壁画の源流の実物資料「屈鉄線」壁画を発掘したダンダンウイリク遺跡調査や建築学教授希望で世界各地の有名建築物も紹介。新疆は中国人でも殆ど行ったことがない奥地、興味津々でした。「中国と海外との修復保存の違いは」など質問も多数。

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講演中の私とPPTを写す皆さん(天津美術館で撮影:筆者)

後者の「古代壁画と現代美術」は先方の要望です。最初は驚きましたが、キジル千仏洞で壁画保護、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡で壁画を発掘し保護、社長時代にコンテンポラリーアートも経営していたので、美術館での演題としてピッタリ。往時の会社案内や幕張メッセでの展覧会図録『PHARMKON’90』からツルカメコーポレーション(現As-meエステール)所有だったステラ・ウォホール・リキテンスタイン・シュナーベル・クネリスなどの作品多 数をスキャンし準備しました。

5,728万ドルで落札されたバスキア作品は中国の美術愛好家にも知られており、「30年ほど前にこれを買い付けたのは私」と大型画面で紹介すると、「エッ!ウソ!」と会場がどよめきました。中国の西の端・新疆で国際貢献しているオッさんと結びつかないためです。会社案内のその作品ふくむ頁全体を写すも半信半疑。

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左:バスキア高額落札を報じる中国「百度」とその作品(上記会社案内から)のPPT画面
右:私ごときのサインを求めて(撮影:孫躍新博士)

「金欠国献男子を見かねてオーストラリア人アーティストCampbell La Pun氏がコラボしてくれた作品がアメリカで売れた、他の作品も値上がり必至、金儲けしたい人はネットで購入を」に会場爆笑。

この講演を告知した天津TV「泊客中国」ブログを北京の日本大使館が転載し、45,000人が見たと天津TVから聞きました。日本大使館の影響力は凄いですね。

天津に来る前には北京の中国伝媒大学学生約100人に「新疆国際協力35年と報道」を講演。コミュニケーション関係の大学ですので、実践してきた国際協力とともにその新聞記事やWeb記事も紹介しました。日本のWebで私の名前を入れると2,500程度ですが、中国「百度」では十倍ほどあり、材料には困りません。「スマホを持っていないそうだが、連絡はどうするのか」など質問多数。こちらも大盛り上がりの2時間でした。新華社記者も参加し終了後には取材受け。

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中国伝媒大学での講演(趙新利教授提供)

北京では中国政治協商会議全国委員会の韓方明外事委員会副主任や中国伝媒大学の楊鵬広告学院書記・楊懿院長・趙新利教授らと楽しいひと時。天津では天津TV局も参観、「泊客中国」の尹暢・黎大煒・宁書翼・趙奇さんや天津美術館の馬馳館長・親友の孫躍新・周培彦夫妻との宴会など楽しく過ごしました。

「一帯一路」が打ち出された当初は中国主体の経済圏・政治圏構想だと反発もあったようですが、昨今は日本企業にとってもチャンスと積極姿勢が目立ちます。「一帯一路」は政治の道・経済の道であると同時に文化の道、そして協力の道でも。

私は35年にわたり、文化面での協力を実践してきました。その一端を三つの講演で紹介したわけです。拍手・爆笑度々、終了後にはサインと自撮りが殺到するほど好評でした。「貴方のような日本人がいたのか」と質問が出たほどで、相互理解促進に一役かったようです。明日は新疆ウルムチへ飛びます。(03/17記)

浄心

私は76歳になりますが、小僧です。迷いの海を漂っています。ああもしたいこれも欲しい、あの人とは会いたくない、これはイヤだ……と汚れた心の持ち主。そんな汚心をそのまま受け入れています。それが人間と割り切っています。聖人君子とは縁なき衆生と開き直っています。

あれが欲しいと、今探しているものが二つあります。沖縄県辺野古沖の小島の権利証。畏友である杉浦・高木・遠藤各氏らと「メダー王国」という仮想国 家遊びをしていたころに持っていた島です。30年ぐらい昔、新聞の広告欄で見つけ購入、しばらくしたら数倍で買いたいと連絡があり売ってしまいました。なぜ探しているかというと、度々報道される辺野古沖にあり、話のタネになるからです。先日行政書士に問い合わせたら、今は国有地になっていて昔の不動産登記簿は入手出来ないと。ほんわかほんわか。

もう一つは持っていたトヨタ2000GTとの写真です。これも30年ぐらい前に中古車屋で購入。真赤な左ハンドル車、足がペダルに届かず蒲鉾板を括り付けて運転していました。近所迷惑な爆音、車高が低くすぎ、入れない駐車場も。座席が低く小柄な私はハンドルの下から前方を見るといった不便さ。飽きて売ったら買った時より高く売れました。風岡氏や弟らと嵐山などへドライブしたので、写真の一枚や二枚あるはずですが見当たりません。最近、NHK「真夜中のスーパーカー」が放映され話題になったとか。写真があればこれも話のタネになるのに。

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小僧落書き:背景は天津浜海新区文化センター(撮影:筆者)

無い無いばかりでは面白くないので付け加えると、私は日本銀行の「株主」です。正しくは「出資証券」を持っています。日銀は大企業の大株主ですので、私は間接的に日本の大企業の大株主!?テナお笑い人生です。ほんわかほんわか。

浄心=清い心。小僧とは縁なき境地。目指してもいませんが、汚れた心の鏡としています。嗚呼ほんわかほんわか。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。