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国献男子ほんわか日記80 横暴IOC五輪マラソン札幌実施 米・中なら?

国際協力実践家 小島康誉

札幌に来ています。長年の国際協力を支え続けてくれている妻へ期限切れ迫るマイルで宿泊ふくめてタダ感謝旅。いや坊主だからタダ感謝足袋(笑)。このところ北海道へはチョコチョコ。去年は地震ミニボラで鵡川と青春18きっぷ日本縦断2回で計3回。

札幌に「歓迎!東京五輪マラソン・競歩札幌開催」看板があると思い探しまわるもゼロ。ホテル「検索しましたが無いようです」、タクシー運転手「見た ことない」、札幌市役所受付「まだ作成していません」と。「ナンダア コレッ!が皆の第一印象」「温暖化で札幌も暑い」「毎年のイベントが中止になる」などと口々に。大歓迎とは言えない感じ。

雪まつり準備現場担当者「温暖化の影響で記録的少雪、遠く倶知安などから1時間2時間かけて運び込んでいる。あの骨組み一番上まで集められねば雪像が小さくなるかも」と。

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札幌雪まつり準備現場(撮影:筆者)

札幌への移転経過はIOC(国際オリンピック委員会)の横暴そのもの。 ネットを開けばそんな記事いっぱい。IOCがマラソン・競歩をふくむ東京大会を決定したのは、2013年9月。それが6年もたった2019年10月16日 IOCは「東京は暑いからマラソン・競歩は札幌開催を検討」と突然発表。東京の夏が暑いのは当初から分かっていたこと。にも関わらず直前のカタール・ドー ハでの世界陸上の女子マラソンで途中リタイアが多数出たため、IOC会長の「思い付き的」発想。

暑さ対策など各種準備を着々と進めてきた東京都や選手たち、そして日本中がビックリしていると、25日「札幌移転は決定事項」 と明言。いくら最終決定権を持っているとしてもあまりにも横暴。11月1日に開かれた国・東京都・大会組織委員会とIOCの4者協議で、「同意なき決定」 (小池百合子都知事)となった。日本のみならず世界で手続きやタイミングから反対意見が多いのを察知したIOC会長は18日「選手の健康を守るため」と釈 明。巨額テレビ放映権料が入るIOCは金満体質・特権階級意識で少々おかしいのでは?

以上は新聞・TV・ネットで大量に流れた情報ですが、本題はここから。長年国際協力を実践してきた者からの疑問です。この突然の移転決定、アメリカや中国での大会だったらどうでしょう? IOCは変更決定しなかったのでは? 変更するとしても、日本に対しての態度よりもう少し外交的配慮をしたのでは? 例えば段階を踏んで「提案」したのでは? 「決定」でなく。

もしIOCから突然の変更決定を言われたら、アメリカや中国はどう対応したでしょう?日本のようにイヤイヤ同意したでしょうか? 強く抵抗したのでは? 同意しなければ困るのはIOC。「開催直前になっては、他国で開催できない」のですから。

この問題に限らずイヤと言わない日本、外交弱腰日本、ケンカしない日本、平和ボケ日本。このままで激烈生存競争の世界で生き残れるのでしょうか? 最近になって、ようやく外交強化が始まったのがせめてもの救いですね。

オマケの話:保釈中にレバノンへ逃亡し、国際刑事警察機構から国際手配されているゴーン被告、日本の外交力に世界が注目することでしょう。正論より感情で動いている人たちを動かす、アラビヤ語・英語・フランス語での情報発信力が勝負ですね。オマケ続き:日本の某TV局「無断で出国」と繰り返し放送、「逃亡」でなく。某キャスター「ゴーンさん」と度々発言、「ゴーン被告」でなく。嗚呼平和ボケ日本。続きの続き:逃亡に「利用」された弁護士も悔し涙でしょう。逃亡被告は会見を今日(01.08)開くとか。自己中ぶりが見ものですね。最後の荒稼ぎは映画権料とも。観に行きますヨ!

オマケの本題:日本からの逃亡でなく、アメリカや中国から逃亡できたでしょうか? アメリカや中国から逃亡したら、どう対応したでしょう? 乱暴トランプ大統領がイランの「英雄」司令官を殺害、レバノンを含む中東諸国が憤慨する中、アメリカを同盟国とする日本の外交は難しいですね。今回の被告海外逃亡は平和ボケ日本への警鐘とも言えますね。

初夢ノーヘル賞1億円

受賞するとイスにサインするのが恒例のノーベル賞ならぬ「ノーヘル賞」をいただき、イスにサインする初夢を見ました。「脳減る国際協力賞」です。賞より嬉しい副賞1億円小切手をもらう寸前に目が覚めました。妻に話すと笑って「幸せな人! せめてサインしたら」とイスを引っくり返してくれました。

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ノーヘル賞1億円ゲット喜びの初夢(撮影:小島聡子)

1億円ゲットできたら40年ちかく続けてきた世界的文化遺産保護研究や国際協力を対象とした調査研究助成金を立ち上げます。一大学に限らず国内外の 方を対象に。国献金欠男子の切なる初夢。2020年もこんな調子で笑って過ごします。引き続き応援よろしくお願いします。嗚呼ほんわかほんわか。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。