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国献男子ほんわか日記82 米中貿易協議「第1段階」署名の謎

国際協力実践家 小島康誉

米中両政府は1月15日(現地時間)ホワイトハウスで両国の貿易協議を巡る「第1段階」合意書に署名。長年にわたり国際協力を実践してきた庶民からの疑問を書きま~す。

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トランプ大統領と劉副首相の署名を報じるCNN(撮影:筆者)

トランプ大統領と劉鶴副首相が署名。大統領に相当するのは習近平国家主席なのに、署名したのは副首相。李克強首相を補佐する4人の副首相の中でも序 列4番目。共産党内でも7人いる中央政治局常務委員でなく、18人いる中央政治局委員の一人。劉副首相が交渉代表であったとはいえ、どうも妙。米側の交渉 代表である通商代表部代表や財務長官が署名するのが普通、ランク上げても副大統領が。

国家間の調印は同ランクが行うのが通例。ランク違い署名から見えてくるのは、トランプ大統領の焦り? 中国の作戦勝ち? 大統領は署名に先立ち副首相を立たせたまま関係ない事ふくめ1時間もスピーチ。一方「人民網日本語版」20.01.16は中国共産党機関紙「人民日報」を引用し「通常と異なる非常に高い格式の署名式で鳴りやまぬ拍手…」といわば勝利報道。両国と対峙する日本の国会の皆さん、目を世界に向けて下さ~い。足の引っ張り合いやっている暇はないのでは? 本筋議論が進むためにも疑惑議員はすぐ辞めて!

同じ日、そのトランプ大統領の弾劾訴追決議にペロシ下院議長が署名。その際、数本のペンを使用。こちらも疑問を書きま~す。儀式用ペンのようだが、どうして数本。どなたか教えて下さ~い。まさか書けない場合の予備? 立会者などへの贈呈用?

ご縁に感謝:私も登場したNHK「新シルクロード」撮影は2004年、当時スタッフとして活躍の任書剣氏から取材を受けたのは2018・19年。ご縁は広がり、任氏が代表取締役を務める日本最大の中国情報サイト「レコードチャイナ」に、国際協力の連載を始めました。その名も「一帯一路実践談」、愛読くだされば幸いです。

のびのび

全国のスキー場などが雪不足で困っています。札幌も記録的少雪。めったに雪の降らない東京からの小僧夫婦は転ぶ心配もなく大助かりでしたが、300 万人近くが訪れる一大イベント「雪まつり」関係者はヤキモキ。成功裏に終了することを願っています。ヤキモキしている方は他にも。道路除雪を請負う業者さ ん。出動しなければ契約額が減る可能性がある一方で、待機人員や機械の費用は発生。まことにご苦労様です。

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小僧楽書:札幌テレビ塔を背景に(撮影:筆者)

少ない雪でも幼児たちは走り回ったり寝転がったりして大はしゃぎ。この子たちには、いや世界中の子供たちにはのびのびと育って欲しいですね。テレビ塔が空に向かってのびのびしているように。イヤなこともある世の中ですが、のびのび行きましょうヨ。老人もあと暫くのびのび生きていきます。スマホ時代に対応し、今回から文章なるべく短くしま~す。ほんわかほんわか。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。