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国献男子ほんわか日記89 新型コロナ 今こそ、憲法改正を

国際協力実践家 小島康誉

本日05/08現在、日本での新型コロナ感染症は「感染爆発」には至っていません。5月31日まで延長された「緊急事態宣言」。再延長がないと良いですね。月末またずに解除されたら更に良いですね。一部の県の先行解除も検討されているようです。(注:05/14に39県が先行解除された。東京など8都道府県は21日再判断へ)

全国に拡大発令された際の各知事の反応は様々。その時点で感染確認ゼロの岩手県知事「我が意を得たり」、秋田県知事「県民に呼びかけやすくなる」、 京都府知事「先行7都府県を踏まえ措置講じたい」、岡山県知事「指定を受けること想定せず」、鳥取県知事「正直驚いている」、佐賀県知事「最大のピンチだ が最後のチャンス」、熊本県知事「経済へのインパクトとても大きい」など(NHK電子版04/16)。

また日経新聞電子版04/16は愛媛県知事発言「朝令暮改という言葉が浮かぶ。慌てて変えるのはどうかと思う」につづき「国の対応を暗に批判」と報 じている。下向いて原稿読み発表が多い中で、正面見て自分の言葉で説得力ある会見は大阪府知事。税金投じたCMに自ら出て、近づく選挙目当てでは?と報じ られているのが東京都知事。

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外出自粛で灯り煌々タワマンと車ゼロ道路、連休中の品川駅近く19時40分(撮影:筆者)

国際協力を実践してきて「国家の存続と繁栄が国民を支えている」と実感している私が注目するのは、奈良県知事の「日本の緊急事態宣言はイタリアやニューヨークと全く違い、移動制限があるわけではない。どういう意味があるのかと思う」(NHK電子版04/16)。

特措法は「封鎖」も「罰則」もなく、「要請」「指示」どまり。「外出自粛要旨」「休業要請」に応じず、家族づれで観光地へ出かける人たち、イベント開催する団体、店名公表されても営業続けるパチンコ店……。「緩やかな日本型」戦略は世界から注目されています。

日本の憲法には「国家緊急権」の規定はありません。今後も起こりうる疫病大流行・巨大災害・戦争・大規模テロ・世界恐慌などの国家的緊急事態に備え て「憲法改正」を! 憲法の三大原則「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」を守るためには、「緊急時私権一定制限」もやむなしでは? 憲法は改正せず、新たな法律で対応との意見もあるようですが、今こそ憲法改正を切望する一人です。「何でも反対党」の方々に申し上げれば、「憲法改悪」に は反対ですが、「憲法改正」には賛成です。憲法審査会は中断したまま、いかなる立場でも論議するのが議員の責任なのに!

今こそ、義・勇・仁・礼・誠

諸外国のように「封鎖」も「罰則」もなく、「要請」「指示」どまりの「緊急事態宣言」でも、何とか持ちこたえているのは? 安倍首相会見でイタリア人記者が「一か八かの賭けだと思うが、失敗したら責任を取るのか?」と質問するほど「緩やかな日本型」でも、何とか持ちこたえてい るのは? 何故でしょう。日本人の「根底DNA」に武士道精神「義・勇・仁・礼・誠」がまだ残っているからと、私は捉えています。

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小僧楽書

義=卑怯や不正を憎む正義。勇=正しい行いをする勇気。仁=誰にでも慈愛。礼=他に敬意を払う礼儀。誠=常に誠実。「武士道なんて古い事を持ち出す な。そんなもの知らない」とおっしゃる方もおられよう。しかし、しかし「義・勇・仁・礼・誠」を上記のように言い直せば、納得されるのでは?

外出禁止でなく外出要請で各地がガラガラになるのは、接触8割削減要請で皆が工夫するのは、休業要請で一時休業するのは……とりもなおさず、私たち に日本伝統精神「卑怯や不正を憎む正義、正しい行いをする勇気、誰にでも慈愛、他に敬意を払う礼儀、常に誠実」が、「根底DNA」として残っているからと 思います。

残っていない方もおられます。品切れマスクを高値転売したり、デマを流したり、騙したり、営業を続けたり、観光地へ出かけたり、批判専門だったり、差別したり偏見を持ったり……。残念なことですが、それらも受け入れる寛容さも日本人の良いところ。

今こそ、義・勇・仁・礼・誠を実行し、更に広めたいですね。ちなみに20ヵ国語ほどに翻訳された新渡戸稲造『武士道』は小僧の愛読書、何回も読みました。新型コロナ早期収束を願い阿弥陀仏へ祈り続ける小僧です。ほんわかほんわか。(以上05/08記)

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。