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国献男子ほんわか日記154 日中首脳3年ぶり会談 新時代へ主張と協力

国際協力実践家 小島康誉

11月17日、岸田文雄首相と習近平国家主席がバンコクで会談。19年12月北京で安倍首相が習主席と会談して以来、両国首脳の対面会談は3年ぶり。建設的かつ安定的な関係構築などで一致した。ロシアによる核兵器使用示唆は憂慮すべき事態で核戦争を行ってはならないとの認識を共有し、北朝鮮による拉致問題の早期解決を含め緊密な連携を確認し、両国軍の偶発的衝突を防ぐホットライン早期運用開始なども合意した。

岸田首相は会談で「国交正常化50周年の9月29日、メッセージを交わし日中関係の発展の重要性を確認しあった。日中関係は様々な協力の可能性と多くの課題に直面している。両国は地域と世界の平和と繁栄に重要な責任を持つ大国だ。双方の努力によって建設的かつ安定的な日中関係を構築したい」などと発言するとともに、会談後の記者会見で「会談は率直かつ突っ込んだ議論が出来た。沖縄県尖閣諸島をふくむ周辺海域での諸問題に深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性についても強調した。引き続き首脳をふくめあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図っていくことも一致した」などと述べた。

習近平国家主席の発言を「過去50年間に双方は4つの基本文書をまとめた。中日関係の重要性は今後も変わらない。両国関係の大きな方向性を把握して新時代に見合った関係を構築していきたい。歴史や台湾など重大な原則問題は両国関係の基礎と信義に関わり、適切に対処しなければならない。中国は他国の内政に干渉しないし、誰であれ中国内政に干渉することは受け入れない。両国は社会制度や国情が異なる、互いに尊重すべきだ。海洋や領土の問題は合意した原則や共同認識を守るべきだ。経済の相互依存は高く、対話と協力を強め、両国は長期的な共通の利益に目を向けなければならない」などと人民網日本語版が伝えた。

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NHK「ニュースウオッチ9」より

写真はNHKで報じられた両首脳会談の冒頭場面。国際協力実践家として、注目したのは両首脳の表情と岸田首相のネクタイの色。「意気込む」岸田首相と「余裕」の習主席と感じた。岸田首相の「意気込む」背景には、日中関係改善と政権浮揚への意気込みがあるのだろう。習主席の「余裕」には現在の日中力関係と総書記3期目決定の余裕を感じ取った。会談では林外相の訪中も調整されることになった。中国の王外相の訪日は話題にならなかったようだ。これらにも両国の現在の力関係が現れているのでは? 日中関係改善は一気には進まない。何事でも紆余曲折あるのは普通の事、相互理解活動を地道に実践し関係改善が着々進展することを願っている。一庶民ながら今後も微力を尽くす。

同じ17日、北朝鮮は日本海に向けてミサイル発射、日米両軍は台湾に最も近い沖縄県与那国島で共同訓練を実施。翌18日には北朝鮮が発射したアメリカ全土射程?ミサイルが北海道沖に落下。15日にはロシアが最大規模でウクライナ各地をミサイル攻撃、ウクライナ迎撃ミサイル?がポーランドに着弾。・・・機能不全の国連に象徴されるように世界は複雑。世界人口が80億を超えた。世界が平和であって欲しいと、皆が願っている。(11/22記)

笑って笑って今日も楽しく

年に一回の無料健診を受けた。ありがたいことだ。「認知症セルフチエックシート」と「港区生活機能評価受診票」を提出した。質問は「財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか」「5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか」「一人で買い物にいけますか」「自分で掃除機やほうきを使って掃除ができますか」「今日が何月何日かわからない時がありますか」「週に1回以上は外出していますか」などが並び、「まったくない・ときどきある・頻繁にある・いつもそうだ」のどれかに〇をつける、あるいは「ハイ・イイエ」に〇をつける形式だ。

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5基のエスカレーター、実際にあるのは?(撮影:筆者)

〇をつけながら妻に「もっと面白い質問を所々に挟んだら?」と冗談を言った。「誰かの悪口を言っていますか」「岸田文雄と聞いて、誰だかわかりますか」「1日に1回は笑っていますか」「好きな歌はなんですか」「テレビは何をみますか」・・・小僧は日々笑って暮らす。老化は自然の成り行き、気にもしていない。先日も京都の畏友と飲んだ後、何かに躓きバターン。眼鏡は壊れ、草履は脱げ、アチコチ出血。「大丈夫ですか」と見知らぬ方に起こしていただいた。ありがたい。畏友への礼状に「ほろ酔いで 転び出血 また楽し」と書いたら、シップが届いた。ありがたい。笑って笑って今日も楽しく。ほんわかほんわか。

お詫びと訂正:「ほんわか」151で、フジTV系で放送された吉岡秀隆さん旅番組を「新シルクロード考・砂漠に降りた飛天たち」と記しましたが、正しくは「シルクロード浪漫〜渇いた3000Kmの果てに」でした。訂正しお詫びします。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。