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国献男子ほんわか日記204 時代劇だれが悪者すぐ判る しかし現実は二重基準

国際協力実践家 小島康誉

昭和の爺さんは時代劇が好きだ。誰が悪者かすぐ判る。水戸黄門・暴れん坊将軍・大岡越前・鬼の平蔵・・・が出てきて悪人を成敗する。単純明快だ。しかし現実は全く異なる。ソ連時代の広大な国土から独立された恨みでロシアはウクライナ侵攻、自衛のための反撃と言いながらその範囲を著しく超えたイスラエルによるパレスチナ・ヒスボラ攻撃・・・それらに対し「口では早期停戦、一方で攻撃側に武器提供」「口先介入、具体的行動無」といった二重基準が方々に。これが現実だ。国連は機能不全、国際会議は記念写真会議。

大手メディアからSNSまで情報が溢れている。これまた二重基準、商業ジャーナリズム・自己都合発信が人々を惑わせる。国内では衆院選・兵庫県知事選・石破首相たたき・・・何が真実か?正義か?誰が悪者か?よく判らない。日中関係では「景気低迷」「社会不満で事件次々」「ビザ免除再開も景気対策」などと報じられているが、一面的でないのか?例えば日本は好況なのか?例えば人口が日本の約10倍、事件も10倍は普通では?「急成長した隣国への嫉妬」からの発信も含まれている?・・・国内外ともに情報の真偽を見極めることは難しい。

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佛教大学O.L.C.特別講座で講演(11/19撮影:佛大)

昨年秋から各地巡回中の「世界遺産 大シルクロード展」も最終会場となり、京都文化博物館で開催中(25/02/02迄)。私たち日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査隊が発見・保護・研究した如来図壁画「西域のモナリザ」も展示中。それに合わせ、佛教大学オープン・ラーニング・センターで調査全容をPPT講演した。対面・オンライン合わせて約460人も参加され好評だった。なぜ好評だったか?映し出す写真の数々が事実を示しているからだと思う。真偽不明情報の対極にある真実情報だからだと思う。(12/01記)

ビジホ驚きの3倍強:昨今安全重視ですぐ運休する新幹線、上記講演に遅れないため京都前泊。佛大客員教授の頃から毎月数泊していた定宿、宿泊費ナント3倍強!ビックリ。日本中に外国人いっぱい。聞きなれた英語でも中国語でもない言葉アチコチで。日本人に接する外国人、外国人に接する日本人、「爆買い」ならぬ「爆体験」で相互理解も進むだろう。

笑って笑って 楽しく楽しく

厳しい世界情勢、冷え込んだ日中関係の中、一庶民にすぎない小僧が相互理解促進活動を続けるのは中々大変。各種交渉・活動費などで苦労している。が、自分で選んだ「国際協力道」、笑って楽しくやっている。中国新疆での「シルクロード交流亀茲文化シンポジウム」の一環でクムトラ千仏洞・スバシ故城などに案内された。キジル千仏洞では日本の教授数人を含む内外研究者数十人に王恩茂氏による保護資金寄贈記念碑前で「保護第一」を訴えた。

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石窟参観をつづける一行と離れて、ベンチで休憩。カメラを掲げて自撮りの一枚、ご笑覧あれ。影を面白く撮ろうと同行2人にポーズをお願いしてパチリ。「世界シルクロード写真展」金賞!マチガイなし(笑)。まぁ人生いろいろあるけど、笑って楽しくいきましょう。ホンワカ本若。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。