VOICE
シルクロード国献男子30年 第30回 国際貢献男子ここにあり-21世紀は国際協力の世紀
国際協力実践家 小島康誉今年も押し詰まりました。いろいろありましたね。嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、怒りたくなること・・・。でもでも戦争や紛争・テロで次々の死んでゆく国々に比べれば、私たちは格段に幸せ。ありがたいことです。多くの方々のおかげです。
私が1982年初めて中国新疆ウイグル自治区を訪問して以来、約150回の間にもいろいろありました。でもでも多くの方々に喜んで頂きました。世界的文化遺産保護研究・人材育成・相互理解促進であれこれやってきました。多くの方々のおかげです。
「俺が俺がのがでなくて おかげおかげのげで生きよ」と申します。ありがたい国際貢献でした。新疆の人々がより幸せになっていただけるよう、これからも老残微力を捧げ、灰はタクラマカン沙漠に撒きます。
熊本着々復興中
先月は熊本へ。最後まで残った避難所も閉鎖されるなど着々復旧中。しかし閉めたままの店舗や工事中のビルも・・・。この話は次回にと先回書きましたので、紹介します。
震災店舗改修工事&商店街「負けんばい熊本」ポスター(撮影:筆者)
熊本といえば熊本城。加藤清正が改築し、後に熊本細川家の居城となり、明治初期には西南戦争の戦場となりました。現在の天守は戦後の再建だそうです。宇土櫓や城門・塀などは重要文化財、城跡は特別史跡に指定されています。
熊本城の被災総額は約600億円といわれ、熊本地震のシンボルとなり、多くの人たちが訪れていました。私も熊本城災害復旧支援金にわずかばかり協力して熊本城主になりました。城内へは入れませんが外周から被害状況はよく分かります。熊本市役所14階から眺めることもできます。観光も支援の一環、是非とも熊本へお出かけください。
くまモンも呼びかけ&支援金ポスター&熊本城主手形(撮影:筆者)
瓦もずり落ちた小天守と大天守(撮影:筆者)
崩れ落ちた戌亥櫓ちかくの石垣(撮影:筆者)
応急工事で持ちこたえている飯田丸五階櫓(撮影:筆者)
倒壊した東十八間櫓&北十八間櫓(撮影:筆者)
熊本の復興を願い再開されたライトアップ(撮影:筆者)
活気を取り戻しつつある熊本&応援ポスター(撮影:筆者)
熊本からバスで約1時間、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ「三角西港」では被害は出ていませんでした。降りしきる雨の中、築港に奮闘した人びとを偲びました。
今年はキジル千仏洞などの写真集『新疆世界文化遺産図鑑』(日本語版/日本僑報社)&キジルやニヤ・ダンダンウイリク両遺跡総合調査などの英文報告 『Kizil, Niya and Dandanoilik』(東方出版)を出版しました。おかげさまで共に好評です。多くの方々のおかげです。『Kizil, Niya and Dandanoilik』は英語版ですが10冊、20冊と大量注文が書店や出版社・ネット通販へ。義理と人情からの発注でしょうが、逆に言えば「義理と人 情」だからこそ一層ありがたいです。
「灰を撒いてと」妻に頼んでいる場所はもう一ヵ所あります。大和が眠る坊の岬沖です。
私は戦争中の昭和17年の生まれ、名前に親の「健康に生き名誉ある死を」との願いが込められているからです。また妻の父親は大和で技術少尉だったからです。
絹の道ふりかえみれば幾千里 仏とあゆむ明日もこの道
1年余にわたる連載をご覧いただきありがとうございました。シルクロードでの国際貢献紹介はいったん終わり、新年から「国献男子ほんわか日記」と題して、国際協力でのあれこれや悩み多き娑婆世界を「楽しくゆったり有意義に」すごすヒントなどを駄弁りたいと思います。引き続きADC文化通信を検索いただければ幸いです。それでは良いお年を!