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国献男子ほんわか日記117 ぜひご参観!日本人協力 世界遺産キジル千仏洞
国際協力実践家 小島康誉忘れられない6月22日が巡ってきた。キジル千仏洞が世界遺産となった日である。2014年のこの日、カタール・ドーハでの世界遺産会議は中国・カザフスタン・キルギスが共同申請していたキジル千仏洞などを構成資産とする「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」を世界文化遺産と決定した。パソコン生中継を見続けていた私と妻は決定の瞬間、「万歳!」と拳をつきあげた。1986年以来30年近い修復保存協力の日々が脳裏をかけめぐった。
決定宣言する議長・喜びの挨拶をする中国国家文物局の童明康副局長(撮影:筆者)
運命的な出会いで「人類共通の文化遺産」と直感し、個人寄付。「日中友好キジル千仏洞修復保存協力会」を立ち上げ、募金に駆けずり回り、多くの方々の尽力で浄財1億円余を新疆政府へ寄付し本格工事開始。それ以降も文化財保護の重要性訴求のため度々参観団を派遣、テレビ番組制作、講演、職員通勤用バスや飲料水浄化設備寄贈なども行ってきた。
『新疆世界文化遺産図鑑』表紙と見開き頁
決定を受け、世界遺産会議に中国代表団として出席中の盛春寿新疆文物局局長へ祝賀電話。盛局長「小島さんはじめ皆さんのおかげだ」と。彼の帰国後に「図鑑を1万冊出版し、寄贈する。活用して」と提案。後任の王衛東局長と共編で『新疆世界文化遺産図鑑』中国語版を出版したのが2015年。翌16年日本語版(翻訳:本田朋子氏・日本僑報社)を出版した。
キジル千仏洞と同時に世界遺産となったスバシ故城・交河故城・高昌故城・クズルガハ烽火台・北庭故城を含めて大量の写真で紹介している。2017年にはNHK「シルクロード・壁画の道をゆく」と中国天津TV「大愛無疆」がキジル千仏洞で撮影され出演もした。18年には経営者諸氏を案内。昨年には「シルクロード・壁画の道をゆく」が再放送された。
王恩茂元新疆党書記揮毫による「修復寄贈」記念碑にて(撮影:楊新才氏)
「修復寄贈」記念碑には寄付いただいた日本人(企業ふくむ)3,000余人の芳名が刻まれている。阿弥陀経や法華経などを訳出した鳩摩羅什三蔵像も建立した。日本人の修復保存協力が中国で世界遺産に結びついた稀有の例「キジル千仏洞」。コロナ禍が明けたら、是非とも参観ください。小僧も再訪するつもりである。(06/22記)
コロナ騒動 人はイロイロ ほんわかほんわか
NHKニュース(06/20)にビックリ! 北海道釧路市ではワクチン接種会場で問診にあたる医者の一部が日給10万5000円では集まらず17万5000円に上げ延べ70人確保。宿泊・食事・交通費も支給。感謝される医者がいる一方で、「大変だ!大変だ!」と必要以上に煽る医者もいれば、これ幸いと稼ぐ医者もいる。人はイロイロ。嗚呼ほんわかほんわか。
小僧楽書:背景は釧路駅前のマンホール(青春18きっぷ日本縦断時に撮影:筆者)