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国献男子ほんわか日記120 外国は外国、違って当然!
国際協力実践家 小島康誉日本で仕事している親友中国人が昨夏につづき中国へ帰国。「空港検査で陰性だが政府指定ホテルで部屋から一歩も出ず隔離中。前回は2週間の隔離だけだったが、今回は更に1週間を一人で暮らすことが必要。でなければ、同居家族も隔離が必要。家族の活動を制限したくないので、計3週間この部屋のみで過ごす」と日本語FAX。「頑張って」と電話した。
米国ではどうかと家族で移住している義理の姪に聞いてみた。「接種券はなく、ネット予約。65歳以上から始まり、今は12歳以上。接種証明もあるけど使用することはない。マスクは持って出かけ、状況に応じて使用。入国時検査で陰性なら自主隔離も必要ない」などと教えてくれた。
東京2020開会式、誇りをかけて民族衣装で入場するカメルーン選手団(NHKテレビより)
日本では入国時検査で陰性でも2週間の自主隔離が求められているが、守らない人も少なくないとか。3週間厳格隔離の中国・隔離なしの米国・2週間自主隔離の日本、コロナ対応に限らず何事もそれぞれの国で異なる。違いに出会い「日本なら」「中国なら」「米国なら」と考えるのでなく、外国を理解しようと努力することが重要では・・・。パンデミック下の東京2020開会式での各国選手団の服装も態度もそれぞれ素晴らしかった。
幸せは・・・何処にでも
奈良女子大学と中国新疆大学との学術交流協定を仲介したのは2002年。それ以来の畏友・中窪利周氏から『へんろ道にて』(文芸社)を恵贈いただいた。1990年7月1番札所霊山寺に始まり、1995年7月88番札所大窪寺で終わる四国遍路の詳細な記録と遍路時に詠まれた和歌147首が収められている。結願から26年経て上梓された。
さすが詩集・歌集を何冊も出しておられる方と感心しつつ紹介かねて引用させていただく。「ひとり歩きながら何かを見つけようとしていた当時の自分が懐かしい」「何とかなるさ」「とにかく暑い」「遍路宿のオバちゃんはみんな親切」「激しい雨」「道もわからん」「風呂上がりにビールを一本。実に美味い」・・・「三日目でマメはますますひどくなり痛みこらえて遍路道行く」「道端の無人売店に並びたるスイカ丸ごとかぶりつきたし」「山道でもう歩けへんと腰おろし汗で重たくなったタオル絞る」「ジュースでも飲みなさいよと百円の接待を受く焼山寺にて」・・・。コロナ下でのおうち四国遍路にお薦めします。
拝読しているうちに小僧20数年前の念仏行脚日本縦断と重なった。鹿児島から北海道までただただ念仏唱えただただ歩いた。拙著『ありがとう人生燃えつき店じまい』(東方出版)に記載した江戸末期の歌人・橘曙覧「独楽吟」をお借りした行脚の楽しみ駄作抜粋ご笑覧あれ。●たのしみは脚をもみもみ身体ふき布施のパンたべ野宿するとき ●たのしみは道をまちがえもどるとき石のほとけに出会うそのとき ●たのしみは一宿一飯情けうけしみこむビールに涙出るとき ●たのしみはとんぼ飛びきて話しあいぼくととんぼが入れ替わるとき ●たのしみは雨でずぶぬれふるえつつ熱き心を失わぬとき ●たのしみは御名となえつつただ歩き気づかぬうちに夜となるとき ●たのしみは野の草花に手を合わせ亡き友たちをしのぶそのとき ●たのしみは愚かなおのれ朝見つけ昼にもみつけ夜もみるとき
小僧楽書:背景は10㎏痩せて着いた宗谷岬にて(撮影:稚内の方)
●たのしみは「乗りませんか」と二人連れ気持ちいただき歩きだすとき ●たのしみは自販機みつけ密着し凍えた身体温めるとき ●たのしみは疲れたからだひきずってあみだほとけのこえを聞くとき ●たのしみはおさな子たちとハイタッチ「お地蔵さん?」とハシャがれるとき ●たのしみは水まく人にお願し頭冷やして生き返るとき ●たのしみは峠こえたらまた峠なむあみだぶとまたこえるとき ●たのしみは下痢腹かかえ野っぱらで人目さけつつ放出のとき ●たのしみは働く人の姿みて気楽なおのれ感謝するとき ●たのしみはグショグショ法衣手洗いし朝汗匂い取れていたとき ●たのしみはホームレスから飯もらい空(くう)をかたりてともに寝るとき 嗚呼ほんわか本和歌(08/03記)