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国献男子ほんわか日記146 習近平主席、日中隊発掘「五星」錦に見入る
国際協力実践家 小島康誉中国の習近平国家主席が7月12日~15日、新疆ウイグル自治区各地を視察したことは既にNHK・人民網・中国中央TVなどで報道されているが、日中共同ニヤ遺跡学術調査隊が発掘した「五星出東方利中国」錦の前で立ち止まり、熱心に見入り説明に聴き入ったことを紹介したい。
習主席は新疆の馬興瑞党書記や艾尓肯・吐尼亜孜政府主席らを伴いウルムチ・石河子・トルファンを巡り、新疆大学・市民居住区・新疆博物館・兵団軍墾博物館・綿花農場・ブドウ農園・交河故城などを視察し、新疆党委員会・政府・新疆生産建設兵団から活動報告を受けた。各視察先では熱烈歓迎の中、挨拶し、説明を受け、激励や重要指示を行った。習主席の新疆視察は、新疆が今後とも安定的に大発展しつづけてゆく大きな力となるだろう。
習主席が「五星」錦に見入ると報じた中国中央TV画面(同電子版より)
13日、新疆博物館では漢~清代の貴重文物1570件が展示された「新疆歴史文物展」を視察。習主席は、漢代コーナーの「五星出東方利中国」錦の前で立ち止まり、熱心に見入り、于志勇館長の説明に聴き入った。于館長は「この文物は重厚な歴史文化だけでなく、新疆文化界人の歴史文物への深い感情を含み、古代西域の悠久の歴史や多様文化、中原文化が西域の歴史文化へ与えた大きな影響を示し、西域古代文明発展過程で重要な作用を果たした」と緊張気味に説明。これを聴いた習主席は微笑ながら「博物館は宣伝展示で重要であり、貴重な歴史文物をしっかり保護し系列的宣伝をしなければならない」(拙訳)と強調した。
于館長は習主席への説明を振り返り「1995年仲間たちと和田民豊県ニヤ遺跡で共同発掘した歴史文物を27年後に習近平総書記に説明できるとは夢にも思わなかった。総書記は新疆の歴史を大変深く理解しておられる。総書記どうか安心してください、私たちは新疆の貴重な歴史文化遺産をしっかり保護し伝承し展示します。中華民族共同体意識を高め、社会安定と長期発展、新疆文化事業発展に貢献します」(拙訳)と語ったと「新疆網」が伝えた。
筆者はキジル千仏洞修復保存協力を縁として,新疆ウイグル自治区文化庁と1988年「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を開始した。于館長は1991年から7回参加した中国側第二代学術隊長であり、筆者の親友。彼の言う「仲間たち」とは、日本側隊長である筆者をふくむ日中双方隊員を指している。報道に接した直後、彼に電話し旧交を温めコロナ禍明けたら会おうと話し合った。今年は日中国交正常化50周年、しかし関係は停滞中。習主席が「五星」錦に見入り説明に聴き入ったと中国で大々的に報道されたことがポジティブに働くことを期待したい。
美とは? それぞれ尊い
ある女性と食事した。料理が運ばれる度に「撮らなくては」とパチリ。別れ際にはスマホをスタッフに渡し「写してもらえますか」と。スタッフから「良いですか」とスマホを受取った女性、チエックし「もう一回お願いします」。「美肌モードで写したのに肌の色が」と独り言。美の探究者は凄い。翌朝の新聞に「美白化粧品」の一面広告、真っ白に塗りたくった女性社長、不自然なほど白い。白色人種に憧れがあるのだろうか。黄色・白色・黒色・・・と世界は様々。「美」は区別から生まれる。区別が差別につながらないと良いが・・・
小僧左手に楽書:背景はCampbell La Pun氏作品(撮影:筆者)
「美」の語源は「羊と大の組み合わせ」と聞いたことがある。大きな羊は貴重な食料だからだろう。シルクロードに羊の串焼き「烤羊肉」がある、実に美味。コロナ禍で行けずもう3年近く食べていない。破戒坊主は「ああ食べたい」。上の写真を撮った後、スーパーへ買物に行った。日本では差別視される「タトゥー」と思われたようでチラ見された。もてはやされた時期もあったのに。「美」は時代と共に変化する、人によって国によって異なる。肌色・体型・性格・思考・・・それぞれの「美」、それぞれ尊い。ほんわかほんわか。(08/02記)