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国献男子ほんわか日記21 領土問題解決は超困難

国際協力実践家 小島康誉

NHK「シルクロード・壁画の道をゆく」が10月14日(土)21:00~22:30、BSプレミアムで放映されます。BS guide-NHKには「日本の仏教美術の源流を探るシルクロードの旅!敦煌やTV初公開となるキジルの壁画等、7世紀東アジアで開花した至高の美に迫る。旅人:有森也実」と予告されています。昨年末から契約や撮影に協力してきたキジル千仏洞、そして私も登場します。是非ご覧ください。

1972年9月29日、日本と中国は国交を回復しました。今年は45周年、その日に安倍首相と李中国首相が祝電を交換しました。その全文は首相官邸 ホームページに掲載されていますが、内容はかなり違います。両国のギクシャク関係は続いています。最近では野田首相時の沖縄県尖閣諸島国有化で緊張し、今は緊張改善へといったところですね。

領土問題は世界各国にあり、いずれも解決は容易ではないようです。ロシアとは北方四島返還交渉が難航しています。韓国には竹島を実効支配されています。中国はインド・パキスタンなどと領土問題があり、南シナ海でも同様ですね。

中国の面積は日本の約26倍。私の国際貢献の舞台新疆ウイグル自治区は日本の約4.4倍、広いですね。しかし日本も広いです。ドイツやイギリスよりも広く、世界の面積順では62位、鹿児島佐多岬から念仏称えつつ北海道宗谷岬まで行脚した際、広さを実感しました。

宗谷岬は日本最北端、じつは普通に行ける最北端。正確にはロシアが実効支配している択捉島カモイワッカ岬が日本最北端です。ちなみに最南端は沖縄県波照間島の高那崎。こちらも正確には東京都沖ノ鳥島の北小島ですが、民間人の上陸は困難です。最東端は北海道の納沙布岬、正確には東京都小笠原村南鳥島の坂本崎ですが、民間人上陸には特別許可が必要。最西端は沖縄県与那国島の西崎です。

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宗谷岬(撮影:稚内の方) 波照間島高那崎・北海道納沙布岬・与那国島西崎(撮影:筆者)

納沙布岬や羅臼港などからはロシアに実効支配されている北方四島の一部が手に取るように見えます。私が訪れた今年9月、納沙布岬「北方館」では全国で8,910万人が北方領土返還に署名したと掲示されていました。もちろん私も署名しました。根室市長名「北方領土視察証明書」をもらいました。

与那国島へは沖縄本島か石垣島から渡りますが、尖閣諸島(5島3岩礁)はその石垣島の北方約160~170㎞一帯に所在しています。尖閣諸島領海警 備は10数隻の巡視船で行われているそうですが、石垣港には4隻の巡視船が待機していました。波照間行きフェリーの曇ったガラス越しに写したのが下の写真です。

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羅臼港から望む北方四島のひとつ国後島・尖閣諸島領海警備で待機する巡視船(撮影:筆者)

尖閣諸島そして竹島や北方領土の問題が早期に解決すると良いですね。しかし、世界どこでも領土問題の解決は容易ではありません。まだまだ時間がかかるでしょうね。

余談:日本最北の鉄道駅はJR稚内駅ですが、ダイヤ改正で一日7本に減り、夕方以降は無人駅になります。寂しいですね。最東端の東根室駅も無人駅、駅舎や待合室もありません。

与那国島は吉岡秀隆氏主演のドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地。診療所が観光スポットとして残っています。フジTV系列で放映された「吉岡秀隆シルクロード浪漫」では東海TVの依頼をうけ、新疆政府を紹介したのは十年以上も昔。新疆政府要人との宴席でウイスキーをグイグイ飲む姿が印象に残ってい ます。写真でご覧のように、私は普通に行ける日本の東西南北の端を制覇しました(笑)。

漸進漸進

私はなんでもすぐやりたい性格です。良いとも言えますし悪いとも。すぐやってもすぐ結果が出るものでもありません。ついイライラしてしまいます。漸進漸進と言い聞かせています。全身で漸進しながら前進する。ほんわかほんわか。

小僧のイライラなんて大したことはありません。発言の端々や日々の行動も追及される人たちは大変ですね。バラエティー化したTVや週刊誌化した新 聞、野党化した人々…に攻撃される日々、本当にご苦労様です。それに比べたら天と地の差もある私のイライラ。小さい小さい。ほんわかほんわか。

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小僧落書きを尹暢天津TVキャスターに持ってもらい、背景はニヤ遺跡(撮影:筆者)

「ぜんしん」にはいろんな意味が。このパソコン変換では全身・前身・前進・漸進・善心・善信・前震・前審・善神が、さらには電子辞書には染心なども載っています。面白いのは同じ「ぜんしん」でも善心は煩悩にけがされない心であり、染心は煩悩にけがれた心だそうです。私は当然ながら染心のほうです。自慢したいぐらい染まっています。それが人間というものと開き直っています。

さて、漸進とは段階を追って進むこと。つまり「ゆっくりゆっくり進むこと」。「ほんわかほんわか進むこと」とも言えますね。ほんわかほんわか前進できたら嬉しいです。本が読みづらく疲れているのかと、ふとメガネを拭きました。鮮やかに見えてビックリ。こんな具合のほんわか人生です。ほんわかほんわか 生きてゆきます。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。