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国献男子ほんわか日記31 守り伝えられた国宝「雪松図屏風」
国際協力実践家 小島康誉三井記念美術館で「国宝雪松図と花鳥-美術館でバードウォッチング」を観てきました。丸山応挙(1733-95)の「雪松図屏風」に感動しました。2回出かけ、近づいたり離れたりを繰り返し延々と鑑賞。昨冬の京都国立博物館「国宝」展にも出陳されましたが、タイミング合わず逃しました。雪を描かずに雪を描いた天才の傑作ですね。
国宝「雪松図屏風」ミニチュア(撮影:筆者)
作品を撮影は出来ませんし、図録からスキャンしたり、ネット上の写真を流用するのも気が引けるので、同美術館ミュージアムショップで屏風のミニチュ アを購入し、写したのが上の写真です。ベタの写真より屏風の立体感がでていると思います。但し「オゼ」(折りたたみ)部分は実物より幅広です。実物の素晴 らしさは写真の万倍億倍!
同封説明文には「一面の雪の中にきらめく光を照り返して屹立する松の姿を、墨と金泥と紙の白色のみで情感豊かに描き出す」と紹介されています。雪の白の部分は紙そのものの色だそうです。凄いですね。機会があれば貴方様も是非!
この作品は三井家当主の注文で特別に制作されたそうです。紙も特注とか。凄いですね。展示品に北三井家8代当主高福作「牡丹孔雀図剪綵衝立」や新町 三井家10代当主高遂夫人恭子作「籠鶏図剪綵衝立」など三井家当主らの作品も。セレブの趣味を超えていて驚きました。これらを含めて膨大な作品を数百年、 幕末、大戦、戦後混乱…をへて現在まで守り伝えるのは並大抵のことではありません。
この美術館が入る三井本館は1929年(昭和4年)竣工、今では重要文化財です。当時の三井合名会社の團琢磨理事長のデザイン方針「壮麗・品位・簡素」が見事に表れています。関東大震災の教訓から当時の一般的ビルの約10倍の費用で建設されたそうです。
重要文化財・三井本館の昼と夜(撮影:筆者)
膨大な作品群やこの三井本館に三井グループの文化財への積極姿勢を感じます。社員や取引先からは「道楽だ、そんな金を使うなら…」などと批判もあったことでしょう。多くの場合はそんな過程をへて分散し消滅してしまいます。安値処分された作品群のこと、減りつつある神戸の異人館のこと……も聞こえてきます。文化財保存には困難が伴います。文化財保存には覚悟が必要です。
三井本館は昔一度だけ訪ねたことがあります。日中友好キジル千仏洞修復保存協力会の顧問をお願いした森田武三井銀行副社長(故人)が転じられた三井鉱山(現日本コークス工業)役員室へ伺いました。
三井グループの中核であったころの同社のことや三井銀行の金庫扉は50トンなどとお聞きしました。堂々たる大理石、著名人が訪れたであろう応接室…が印象に残っています。森田様からはその後『大正生まれの歌(80年の航跡)』『続・大正生まれの歌(平凡な奇跡)』(共に私家本)やお心こもったお便りを度々頂戴しました。ご冥福をお祈りします。
三井本館など日本橋一帯の建物は3月中旬から約1ヵ月「桜色」にライトアップされるそうで、見に行きま~す。見物も守り伝える応援の一環で~す。
ここまで書いて思い出しました。私たち日中共同隊がニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡で発掘し保護処理を施した絹織物や壁画などの貴重文物は、これまでに中国の国家博物館・上海博物館・新疆博物館はもとより東京国立博物館・江戸東京博物館・大阪歴史博物館・兵庫県立美術館・岡山市デジタルミュージアムやアメリカなど諸外国の博物館で展示され、多くの方々に参観いただきました。その参観料も文化財保存につながります。ありがたいことです。
なるようにナル
毎日毎日あれやこれやが世界中で起きています。生きることが益々複雑に。悩みは増幅するばかりですね。イライラつのる私たち。つい攻撃的になりがちですね。国会でも地域でも家庭でも。ほんわかほんわか生きる事が難しい時代となりました。私も同様です。そんな時は「なるようになる。なるようにしかならない。努力はするけど」と言い聞かせています。
小僧落書き:背景は長崎グラバー園(撮影:筆者)
「そんな素人みたいな考えでどうする!」と叱声が聞こえてきそうです。私は人生の素人で、達人ではないので、仕方ありません。「なるようにナル」と諦観しています。ほんわかほんわか。
オマケの3枚:撮影は左からアドプランナー・小島聡子・劉豆氏
天津TV「泊客中国」3回シリーズをWebで見た友人から「社長時代の背広姿が映っていたが、他を含めて !(^^)! 写真を載せて」と。写真を探しました。左は1989年のツルカメコーポレーション(現As-meエステール)会社案内からスキャン、背景はバスキア。中央は2005年銀座でペコちゃんと。右は昨年NHKスタジオパークを中島木祖也氏の案内で新疆文物代表団と見学した時のもの。その時その時、笑ってやってきました。ありがとうございます。ほんわかほんわか。