VOICE

国献男子ほんわか日記39 世界的文化遺産保護研究事業をまとめています

国際協力実践家 小島康誉

しばらく前は「終活」が話題となりました。昨今は「定年後」の本や映画が話題だそうです。どこが仕掛けるのでしょうか。「人生100年時代」ならではですね。

私も人生のまとめに入っています。企業経営からはもう20数年前に引退し、その後もしっかりやっておられるのでなんの心配もなく、いわば「まとめ」終わり。昨今は世界的文化遺産保護研究事業の「まとめ」を皆様とやっています。

今年は「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を始めて30周年。3月に新疆文物局の王衛東局長らと合意した項目のひとつに『活動記録集』出版があります。これまでにも諸氏ご尽力をえて、『報告書』などを刊行してきましたが、それらは専門的で文字中心、「写真中心のカジュアル版を」との声に応じてです。

ニヤ調査をメインに、そのきっかけとなったキジル千仏洞保存協力、ニヤ調査の後継ともいえるダンダンウイリク調査や各種国際協力をふくめての写真・資料集。4月に着手しました。前回もふれましたが、その編集で大量の写真・資料を再点検中です。それらは寓居と佛教大学の研究室で保管しています。一点一 点、確認しスキャンしデータ化……。オッサンには中々です。A3対応の複合機も買いました。

“

佛教大学宗教文化ミュージアム内の研究室(撮影:筆者)

写真は殆どデータ転換済です。昨年、吉崎伸隊員(京都市埋蔵文化財研究所)から田辺昭三日本側第二代学術隊長(故人・学士院賞受賞)撮影写真が大量寄贈され、その整理とデータ化も浅岡俊夫隊員(六甲山麓遺跡調査会)に協力いただき進行中です。

『活動記録集』は写真&資料約730点・日本語がメインですが中国語&英語も・A4変型・オールカラー・約270頁、10月出版を目指しています。すでに東方出版へPPTで編集した素人案を送付済み。本号がリリースされる日には第一回打合せも終えています。その後、数度の修正を経て出版となります。

日本側副隊長として大学などとの各種折衝を担当いただいていた真田康道教授が病で佛教大学を退かれたことは、誠に残念なことです。保管している氏の調査日記などを見るたびに、情熱が伝わってきます。私とともに佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構の代表を務めていただいている安藤佳香教授はじめニヤ機構の 皆様、そして佛教大学に協力いただき、ボチボチやっています。

『活動記録集』も世界的文化遺産保護研究事業「まとめ」の一部、ほかも含めて次世代へ継承できるよう皆様の協力をえて頑張りま~す。

ゆずりあい

ここ渋谷交差点は世界的に有名ですね。交差点も人いっぱいなら眺められるスタバ2階席も立見ふくめていっぱい。スマホで撮りまくる各国の人々。お茶せずに写真だけという人があふれています。という私も。ほんわかほんわか。

スクランブル交差点、よくぞぶつからないものですね。皆がぶつからないように瞬間判断しているからでしょう。

“

お茶せず写真だけ、スタバさんありがとう(撮影:筆者)

連日、悲惨な事件が発生しています。人と人がぶつかった結果ですね。スクランブル交差点のように人生も衝突をさけたいものです。ほんわかほんわか。

交差点といえば、昨今の信号無視はヒドイですね。信号無視の車はめったにありませんが、赤信号でも渡る自転車や歩行者は多いですね。昨日は子供を前後に乗せたお母さんが…。

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。