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国献男子ほんわか日記85 “新型肺炎不安症”飛んでけ~

国際協力実践家 小島康誉

中国武漢から日本・世界へ拡がった新型コロナウイルス感染症。中国では都市封鎖や外出制限など超強力対 策で抑え込みに成功しつつあるようですが、日本では抑え込みに成功しつつあるようにも、まだまだのようにも思える分岐点といった状況。世界では感染・流行 がこれからといった国も。日本はじめ世界で、ある意味、新型肺炎より大変な“新型肺炎不安症”が流行し、悪影響が拡大しています。

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武漢第一便帰国者が部屋から祈ったであろう鳥居(勝浦ホテル三日月514号から撮影:筆者)

WHOは3月12日ようやく「パンデミック」(世界的大流行)声明。「もう少し早く出してほしかった」と専門家。同日、トランプ大統領「欧州からの 入国禁止」。再選目指し株価維持を狙って前のめり。狙いに反して、直後のNYダウは過去最大の暴落。「暴れん坊将軍」ならぬ「暴れん坊大統領」は「東京オ リパラ一年延期もありえる」とも発言。

翌日には首相「緊急事態宣言」を可能とする法案も成立。移動や各種私権を制限することが出来るとか。国家の緊急時に国民の権利が制限されるのはやむを得ない事。反対意見も多々、平和ボケ日本ですね。

横浜に着岸したクルーズ船で次々と感染者が出ていた頃、運営会社の責任にはふれず、日本政府の対応を連日批判していた欧米メディア。自国での感染が急増中の今では大慌て。英BBCや米CNNは自国や各国の状況を流し続けています。買いだめなどパニックも発生。

どこどこで発症などと毎日報道され、“新型肺炎不安症”が流行中。病気を恐れるのは当然ですが、冷静に対応したいですね。「肺炎の一種、8割ほどが 軽症、致死率もそれほどでもない、日本の医療水準は高い、やがて特効薬が出来る・・・」などと意識転換する段階では? 政府もマスコミも「感染状況情報」とともに長期化に備えた「不安解消情報」も発信お願いしま~す。国会や記者会見でももっと前向き質疑をして欲しいで~ す。

新型肺炎制圧戦は当然ですが、皆が萎縮し自粛しているため、悪影響がドンドン拡大しています。普段の生活や実体経済への悪影響は益々巨大化します。新型肺炎で苦しむ方、亡くなる方を減らすとともに、経済的影響で苦しむ方、亡くなる方も減らさねば。

未知なる病原菌と闘っておられる多方面の方々に感謝とエールを送り、私たちも一緒に闘おう。批判や苦情を言うばかりでなく。新型肺炎制圧へ一致協力 しつつ、萎縮せず、自粛しすぎず、密閉的空間・密集・近接会話などを避け、ドンドン活動しよう。ビジネスも改革ドンドン。78年人生・30年企業経営・ 38年国際協力のささやか体験から、ピンチのない人生やビジネスはないと愚考。ピンチこそチャンス。

世界はひとつ。今こそ国際協力すべき時。日本はじめ世界で新型肺炎が早期収束することを切望しています。“新型肺炎不安症”が生み出している国内や国家間での「相互不信」も早期収束することを願っています。“新型肺炎不安症”飛んでけ~。

うわさを信じちゃいけないよ

店頭からトイレットペーパーが消えました。ティッシュも無くなりました。品切れ続くマスクの原料になるとか、中国からの輸入が止まったとかの「噂」「デマ」を信じた人たちが買い占めたためです。

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品川のスーパー店頭(02/29撮影:筆者)

20年ほど前に流行った山本リンダの「どうにもとまらない」(阿久悠作詞)は「うわさを信じちゃいけないよ」で始まり、「私の心はうぶなのさ」と続 きます。うぶは悪い事でありませんが、見極める判断力が大切ですね。噂・デマだけでなく「売上狙いの一部新聞雑誌・広告収入狙いのトレンドブログ」なども 鵜呑みしないことですね。歌詞の最後は「もうどうにもとまらない」ですが、新型肺炎は「もうすぐとまります」。品切れも「もうすぐとまります」。

国際協力は「共生」。武漢から政府派遣第一便で帰国した191人を「勝浦ホテル三日月」が受け入れたのも「共生」精神からでしょう。その「男気」を 学び応援するため営業再開日に妻と宿泊。冒頭の写真ご参照。客はごく僅かでした。夕食では伊勢海老やワインを追加注文し、土産も山と買いました。

ガラガラ新幹線に乗り佛教大学の研究室で資料整理などを済ませ、ガラガラビジホで書いています。30年ほど毎月のように来ている京都。ここ数年、長 蛇の列で諦めていた駅ビルの回転寿司もガラ空き、腹一杯たべて生中飲んで千円少々。ああ極楽。東京へ帰るとトイレットペーパー予備なし。公園トイレを利用 しま~す。これまた極楽。ほんわかほんわか。(以上03/15記)

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。