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国献男子ほんわか日記150 日中50年 今こそ「百折千回心不退」

国際協力実践家 小島康誉

9月22日、外務省外交史料館で「特別展示 日中国交正常化50周年」を参観した。50年前の「共同声明」原本などが展示されていた。ご苦労をしのびつつ拝見。各種エピソードも紹介されていた。その足で中国大使館主催「中国成立73周年 中日国交正常化50周年祝賀招待会」に出席。孔鉉佑大使の中国語挨拶「習近平同志を核心とする党中央の指導の下、中国各族人民は中国の特色ある社会主義を新時代に押し上げ、ややゆとりある社会を築く最初の100年目標を達成し、社会主義現代化国家を全面的建設する新たな旅を開始した」で始まり「双方間の矛盾と意見の相違を適切に処理し、風波の試練の中で正しい方向へ、安定し健全で強靱な姿で、中日関係の次の50年を迎えねばならない」(拙訳)と締めくくった。

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孔大使の挨拶に「共同声明」署名と「百折千回心不退」を組合せ(撮影:筆者)

続いて福田康夫元首相が「中国が国際社会の中で平和な勢力であることを期待したい」と挨拶、吉川ゆうみ外務政務官は「日中関係はさまざまな可能性と共に数多くの困難な課題に直面する状況にある」と挨拶、田中真紀子元外相は父・角栄氏の思い出を延々と話し、山口那津男公明党代表は池田大作氏と中国との関係を話し、野田毅元大臣の音頭で乾杯し会食へ。鳩山由紀夫元首相、二階俊博元幹事長、駐日ロシア大使など各国大使、各国の駐在武官の姿も。2年前の「中国大使館・日中友好団体新年会」は約800人で立食だったが、今回は約350人パネル設置席だった。人数半減は最近の日中関係の影響なのか、コロナ禍なのか。

日中関係は好転しないままだ。その主な要因は「ほんわか」148に記したようなことが考えられるが、私たちが平穏に幸せに暮らしてゆくには平和は欠かせない。それは日中間に限らないのは自明なことであるが、日本に近い東アジアの紛争・戦争は特に大きく影響を受ける。近隣諸国と平和であって欲しい。世界が平和であって欲しい。国際協力は平和維持に重要な役割を果たしている。しかし難しい。

長崎平和公園に世界各国から寄贈された多数の「平和祈念碑」が設置されている。そのひとつに中国から贈られた「平和乙女像」がある。参観された方も多いだろう。その裏面には当時の中国共産党総書記・胡耀邦氏の「和平」(平和)が刻まれている。その「和」の右上に小さく薄く刻まれた引首印に注目する人は殆どいない。上の拡大写真でも分かりにくいが、中国仏教協会の趙樸初会長の「百折千回心不退」である。意味するところは「百回千回と紆余曲折があっても(平和を求める)心は挫けない」であろう。

その出典は趙会長「日本仏教界の友人との会話帖」とされている。趙会長は度々来日し、中でも筆者の師僧・水谷幸正先生(佛教大学学長)と親交を重ねられた。その縁で、筆者も数度お会いし、新華社記者らと出版したニヤ遺跡写真集『夢幻尼雅』(民族出版社)の題字を書いていただき、逝去時には水谷先生名代として北京の自宅へ弔問させていただいた。ご両人は極楽浄土で「平和」について清談されていることだろう。筆者はこの「百折千回心不退」を心に刻み新疆ウイグル自治区諸氏と国際協力を続けてゆく。新疆でも最近コロナ極少数感染と中国報道、早期終息を願っている。(09/27記)

ここはどこ?②

春5月に「ここはどこ?」と写真3点クイズ。お陰様で好評。「続きを」との要望にお応えして第二弾、下の写真はどこでしょう。正解は次回に。ほんわかほんわか。

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① これは難しい、分かる方はよほどの歴史通、石碑にヒント

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② これは易しい、童話通ならすぐ分かる、キジ・犬・猿がヒント

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③ 最近度々報道される島、分かる方は国際通、石碑にヒント(3点撮影:筆者)

1942年名古屋生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、国際協力実践家。66年「宝石の鶴亀」(後にツルカメコーポレーション・あずみと社名変更、現エステールHD)を起業。93年株式上場。96年創業30周年を機に退任。中国新疆へは82年以来、150回以上訪問しキジル千仏洞修復保存、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在は佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府顧問。編著『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』『念仏の道ヨチヨチと』『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』『Kizil, Niya, and Dandanoilik』『21世紀は共生・国際協力の世紀 一帯一路実践談』「スタイン第四次新疆探検とその顛末」など。日本「外務大臣表彰」・中国「文化交流貢献賞」「人民友好使者」ほか受賞。